ちょっと野暮用をこなしがてら、南佐久郡南相木村の山奥にある(村全体が既に山奥だが…)東京電力神流川水力発電所のダムを見学した。ダムの周りが親水公園になっている。
なぜこのダムに興味を持ったかというと、昨年11億円以上の固定資産税をこの山村にもたらし、軽井沢町と並んで県内ただ2つの地方交付税不交付団体となさしめたから。
地方交付税交付金は、各自治体の基準財政需要額(大体の必要経費)を計算し、それを元に基準財政収入額(自主財源、つまり税収)の不足分を国が補てんする。従って、十分な税収があると判定されると交付金が出ない。長野県内では長野市や松本市みたいな都市だって交付金をもらっている。というか、そもそもトヨタ自動車関連の税収で潤う愛知の一部自治体など、不交付団体なんて全国でもわずかなものだ。
それはそうと、南相木村は一般会計当初予算額で15億円規模。11億円というのは「三割自治」の揶揄を軽く吹き飛ばす額の固定資産税だなあ。
ちなみに、神流川発電所は長野・群馬の県境に造られ、群馬側はかの日航機墜落事故で知られる上野村だ。上野村の固定資産税額は二十六億円余だというからなおさら驚く。
ただ、よく考えると、ダムは完成してしまえば雇用にも生産流通にも殆ど影響しない。わずかに観光には寄与するかな?国が下賜してくれる交付金が東京電力の納める税金に替わっただけで、村がそんなに豊かになるわけでもない。まあ、唯一の救いは、ダム建設前には結構反対運動もあったと聞くものの、このダムは村中心部から外れた本当の山奥に造られたので「ダム湖の底に沈んだ村」という慣用句は当てはまらないことだろうか。
西武系のリゾート地で、旧華族の邸宅を都内から移築したものだという。見た通り、表面に露出した柱組みが美しい英国テューダー様式ですね(多分)。
昭和50年ごろに「高原へいらっしゃい」という山田太一ドラマのロケ地になったらしいが、僕はよく知らない。同じ敷地内にある八ケ岳高原ロッヂ(ホテル)はなかなかです。