朝8時すぎ、通勤客に交じり地下鉄で集合場所へ。一目でお仲間だと分かるカップルが既に数組いる。声をかけようか迷いつつ、お互いに様子をうかがう(笑)。
大体は新婚旅行か。みな小ぎれいでお金がありそう。確かに日本人はスリに遭いやすいかもしれない。
まずはバルセロナ五輪主会場だったモンジュイックの丘。「10分間お写真タイムを取ります」とガイドさんに言われ、これぞ団体旅行だ!と感動すら覚えた。僕らは、平気で1時間以上ベンチに座っているような旅行スタイルだから。
バスで丘を下る途中、磯崎新が設計した屋内競技施設パラウ・サン・ジョルディが車窓越しに見えた。むしろこちらを見学したかったな。
続いてグエル公園へ。ガウディがパトロンだった地元資産家の依頼を受けて設計した都市公園だ。市街地から離れており、山の上すぎて開発は頓挫したというが、共用部分である公園と管理棟だけが残っている。
有機的で爬虫類のモチーフが多い、という表面的な特徴が強すぎてややとっつきにくい。相方は公園内でフラメンコギターを弾いていたお兄さんが気に入り、10ユーロでCDを1枚買っていた。
あらためて見上げると大きい。僕は安藤忠雄みたいなざっくりした建築が好きなので、ガウディというと正直何か気持ち悪い建物だ、というくらいに思っていた。
しかし実際見てみると、その美しさに感嘆したというわけではないが、キリスト教の物語世界を可視化しようとした執念みたいなものは実感した。
ガウディの生前に完成した4本の塔が有名だが、これはまだ前衛に過ぎず、背後に建設中の主塔はずっと高いというのを知って愕然とする。
地上を見下ろすと結構な高さだ。曇天が残念。それにしても、この教会に限らず、古い塔は構造計算なんかしていないはず。耐震性能はどうなのだろう、と日本人としてはぼんやりと考える。
エレベータも有料だ。上りだけなら2ユーロ50だったかな。一度に6人しか乗れないのである程度の行列はできる。
教会正面の地上。白い空き地部分は確か池だったはずなんだが…。
エレベータも有料だ。上りだけなら2ユーロ50だったかな。一度に6人しか乗れないのである程度の行列はできる。
帰りはひたすら螺旋階段を下る。エレベータで降りるよりはるかに楽しい。
地上に戻り、コカコーラを買って痛み止めのイブプロフェンを飲んだ。抜歯個所ももうあまり痛くないが、念のため。プラド美術館でも飲んだことだし、サグラダ・ファミリアでも飲んでみたかった、というのもある。
見学を終え、サラダバーへ入った。約8ユーロを払ってバイキング方式で食べる。野菜がたくさんあって、しつこい料理が続いた胃に優しそう。ただ、一直線に長く続くカウンターで順番に野菜類を盛り付けていくと、最後の方でチキンが登場する。時既に遅く、野菜メインのプレートが完成している、という寸法だ。百人くらい入れそうな広い店内だったが、8割方埋まっている。サグラダ・ファミリアのすぐ脇という立地は強い。日本人の利用も多いようだ。
ところで、食べている最中に相方のようすがおかしいことに気付いた。何となくぼんやりしていて、皿に盛り付けている量も異様に多い。案の定ピザトーストを残していた。まだ3時すぎだったが、「今日はもう帰ろう」と声を掛けると素直に頷いた。タクシーを拾って戻り、まだ明るいバルセロナの空を眺めながら2、3時間仮眠した。
目覚めると既に暗くなっている。ホテルの廊下からライトアップされたサグラダ・ファミリアが見えた。18-70のレンズしか持っていないので遠い。しかもVRなしなので、窓枠にカメラを押しつけて慎重にシャッターを切った。
夜9時くらいになってから、例のカルフールの辺りをうろついて夕食場所を探す。ショッピングプラザのテナントにサンドイッチ系の店がいくつかあるが、どれも決めかねる。結局タパス料理の店に入り、ジャガイモの炒めものやステーキ(堅かった)などを食べる。
そういえば昼間、日本人らしき学生の集団が建物の前にたむろしていた。建築巡礼の学生だろう。建築系の学科にはだいたいそういうツアーがあるから。
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