2009年4月13日月曜日

げんしけん

最近桜の花を見過ぎて食傷気味の感もあるので、マンガについて。

「げんしけん」はアフタヌーンで3年ほど前まで連載していた作品だ。げんしけん=現代視覚文化研究会というサークルを舞台に、アニメやゲーム、フィギュア、コスプレなどオタク趣味にはまった大学生たちの4年間を描いている。恋愛、連帯、挫折、そしてゆるやかな自己変革…。

主人公たちが通う大学は中央大がモデル。
作中作として描かれたラブコメマンガ「くじびきアンバランス」が単体の作品としてリリースされるくらい、細部にわたって手が込んでいるところは特筆物だが、ひたすらサークル活動(エロ同人誌作りやコスプレやマンガ談議)だけで話が展開していく。その他の学生生活は描写されない。

ただ、それにもかかわらず、読み進めるにつれて学生のころの青臭い空気感がページの間からよみがえるような気がした。過剰な自意識を飼いならそうとし、少しばかりの社会性を獲得しただけで一人前になったような気がし、そしてささいな失敗に簡単に絶望していた自分をほろ苦く思い出す。

僕は美少女アニメは見ないし、パソコンゲームに手を出したこともない。大学時代、オタサークルとは縁もゆかりもなかった。それなのに、すごく懐かしい気分になるのが不思議なマンガだ。

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